自転車の鍵
大学一年生の時、自転車(クロスバイク)にはまっていた。名古屋から東京に片道3日間かけて自転車を漕ぎ、帰りは輪行して名古屋に帰るつもりだった。
名古屋から6時間かけて豊橋についた。お腹がすいたのでマクドナルドに入って空腹を満たし再び自転車の鍵を開けようとした。しかしkeyを差し込んで回す形の鍵だったのだが回しても回しても何かが引っ掛かって開けることができない。諦めてマクドナルドの店員さんにペンチを持ってきてもらい無理やり壊して開錠した。そのまま東京に向かってもよかったがもう二度とハプニングは嫌だと思い豊橋から名古屋まで再び帰ることにした。行きの片道6時間、帰りは疲れて6時間以上。家に帰る寸前の道のりは全く記憶がなく気づいたら翌朝ベッドの上で目覚めていた。こんなことは初めてだとベッドの上で考えていたら母親が例の壊れた鍵を持って購入した自転車屋にクレームを入れに行くと私に言ってきた。その後新しい鍵に替えてもらったらしい。私は今回のことで人への感謝を本気で感じた場面があった。マクドナルドの店員である。懸命にペンチを使って鍵を壊してくれたこと、”旅頑張ってね”と言ってくれたこと。その場では簡単にお礼をしただけであったが、本当は抱擁したいくらい感謝していた。同時に一人ではなにもできない自分に嫌気がさした。また旅をそのまま進めることができなかった。旅にハプニングは付き物であるにも関わらず怖気ついてしまったこと。
今回このような反省が何年も反芻した結果、1年間仕事を休んで日本一周の旅に出ることになりました(バイク旅)。