10年ほど前のことです。当時私は片道2時間近くかけて通勤しており、毎日朝は目が覚めきらないまま頭がぼうっとしたまま身支度をし、家を出るというような状態でした。その日は特に頭がぼうっとしており、なんとなく自分でも危ないなと思っていたのですが、部屋の鍵を閉め、鍵を鞄にしまいながらエレベーターのボタンを押し、乗り込もうとしたところ、鍵が手からこぼれ落ち、床とエレベーターとの隙間に吸い込まれて行きました。その隙間はわずか１cmほどで、わざと鍵を落とそうとしてもなかなか入らないほどの狭さです。でもその時は、よりによってちょうどいいところに落ちてしまい、「あ！」と思った時にはもうどうしようもない状態でした。もうパニックです。眠気なんてどこかに飛んでいきました。エレベーターの中に緊急時に通報する用の電話番号が書いてあったので電話してみましたが、まだ朝早かったので、誰も出ません。エレベーター故障とか本当の緊急事態だったらどうするんだと心の中で悪態をつきながら次の手を考えたのですがまったく思いつかず、申し訳ないのですが当時の恋人にヘルプ電話をしたところ、管理会社に電話するべきだと言われました。そこでマンションの管理会社に電話したら、すぐにエレベーターの管理会社に電話してくれたのですが、いかんせん朝早いので、到着に1時間かかるとのことです。このマンションの入り口は、鍵を指して開けるタイプのオートロックだったため、外に出るわけにもいかず、入り口をうろうろしてやり過ごしました。マンションの住人に怪訝な目で見られて、とても恥ずかしかったです。業者さんが到着した後は、エレベーターを止めて地下に入り鍵を回収するのには1分ほどしかかかりませんでした。一瞬の油断が辛い時間を産むと学んだ鍵トラブルでした。